日本の晩婚化は1970年あたりから見られ始め、
1969年に男性26.9歳、女性24.2歳だった平均初婚年齢は年々上昇傾向をたどり、
2004年には男性29.6歳、女性27.8歳と35年間で男性2.7歳、
女性はというと3.6歳も上がっている(国立社会保障人口問題研究所調べ)。
さらに、この晩婚や非婚化が大きな要因となって
わが国の年間出生数は1973年以降減少傾向が続いており、
現在は当時の約半数にまで減っている。
また、少子化の背景には女性の就業状況の変化などにより、
子育てに対する不安感、仕事と育児を両立することに対する負担が増大している状況があり、
先の選挙でも各党が子育て支援策をマニフェストに組み込むなど、
少子化問題については国ぐるみで対策が練られている。
このように、少子化の進行に伴ってさまざまな対策が進められるなか、
注目を集めているのが「事実婚」という北欧を中心に広まっている新しい形態の結婚だ。
夫婦は戸籍法の定める婚姻届を提出することで法律上の婚姻が認められるが、
婚姻届を出していない(出せない)が、生計を一緒にしているなど
事実上の夫婦関係がある場合について、一般に「事実婚」呼ぶ。
この事実婚が日本でも認められるようになれば
少子化に歯止めをかけることができるのだろうか。
20代後半〜30代の未婚男女600人に対して実施したアンケート結果をもとに、
まずは彼らの結婚・出産に対する考え方を紐解いていく。
国立社会保障・人口問題研究所が全国の50歳未満の夫婦・独身者を対象に、
5年ごとに行う「出生動向基本調査」は、
結婚や出産に関する動きや意識を考える上で、非常に参考になります。
1987年の第9回調査から2002年の第12回調査まで、15年間の動きを見てみましょう。
この中の「生涯を独身で過ごすのは望ましい生き方ではない」という考え方に、
1987年は「まったく賛成・どちらかといえば賛成」が61.6%でしたが、
これが2002年になると46.5%に減少しています。
また「結婚しても、人生には結婚相手や家族とは別の自分だけの目標を持つべきである」は、
1987 年は「まったく賛成・どちらかといえば賛成」が73.5%でしたが、
これが2002年になると81.9%に増加しています。
昔のように、結婚がすべてを解決する、結婚がゴールであるとは思われてはおらず、
お互いの個性や考え方を尊重した生き方を求める人が増えており、
結婚はふたりで作り上げていく人生の出発点ととらえられている、
こんな見方ができそうです。
結婚はしたいと思いますか?
逆に、子供が欲しいですか?という質問に対しては
「絶対欲しい、できれば欲しい」が60.3%と非常に高いものとなっている。
子供は欲しいと思いますか?
この2つを比較すると「子供が欲しい60.3%>結婚したい46%」という関係が集計上成り立つ。
これらの結果を「子供は欲しいが結婚はしたくない」として受け止めた場合、
結婚適齢期の男女が現状の日本の結婚制度について
ミスマッチを感じているということも考えられないだろうか。
そんななか、結婚前に同棲をしたいというカップルも増えてきていることがアンケートでわかった。
その数は60.2%と半数以上を占める。
子供は欲しいと思いますか?
さらに、「同棲したことがあるか」という質問に「ある」と答えた29.1%(175人)を対象に聞いた
「同棲相手と結婚したいと思ったか」という質問に対しては50.9%が「意識している」と答え、
「意識することはあった」という人まで含めると84%を占める。
子供についても「意識している」は36.7%、
「意識することはあった」という人まで含めると76.2%と、こちらもかなり高い。
つまり、同棲を経験した(している)人々の大半が同棲中に結婚を意識し、
また同棲相手との子供も意識していることがわかる。
同棲相手と結婚をしたいと思いましたか?
同棲相手との子供は欲しいと思いましたか?
これらの数値を“結婚観"という観点で見ると、
好きな相手と同棲をし→結婚を意識し(意識した上での同棲含む)→相手の子供も意識しているという
「同棲→結婚→出産」という結婚の流れを組んだ結果となっている。
つまり、世代が移り変わっても、ベースとなる結婚観は
従来と変わらない傾向にあると推測される。
事実婚が認められていない日本においては、婚姻届をしていない男女間(婚姻外)から
生まれた子供は「婚外子=非嫡出子」となる。
日本における2003年の非嫡出子は21,634人と、全出生数の1.93%にすぎない。
事実婚の率が非常に高い北欧諸国の一例である
スウェーデンの56.0%(2003年)と比較するとはるかに少ないが、
97年の婚外子が16,659人、1.4%であったことから確実に増加しているといえる
(下記参照:厚生労働省「人口動態統計」調べ)。
しかし、日本では民法により非嫡出子が嫡出子の2分の1しか
財産の相続が認められていないなどという法的な差別や、社会的差別が存在している。
このように、婚外子に法的なメリットが受けられる土壌がないということも、
アンケート数値の要因の一端を担っている可能性がある。
参考資料:世界各国の婚外子割合
(注)未婚の母など結婚していない母親からの出生数が全出生数に占める割合である。
ドイツの1980年は1990年のデータである。
(資料)米国商務省、Statistical Abstract of the United States 2004-2005
日本:厚生労働省「人口動態統計」
では、結婚観は従来と変わらないのになぜ
世の中は非婚・晩婚化、少子化へ向かっているのだろうか。
そんな疑問を解消するべく、従来と変わらない結婚観を持っていると思われる彼らが
新しい結婚の形「事実婚」をどう捉えているのかを調べてみた。
そこから結婚の現行形式が、今の時代のニーズにすべてこたえることができるとは
考えていないことが読み取れる。
事実婚(婚姻届を出さないため法的結婚ではないが、法律・経済的な面で区別されない
北欧を中心として増えてきている結婚のスタイル)をどう思いますか?
(注)未婚の母など結婚していない母親からの出生数が全出生数に占める割合である。
ドイツの1980年は1990年のデータである。
(資料)米国商務省、Statistical Abstract of the United States 2004-2005
日本:厚生労働省「人口動態統計」
少子化の打開策がいろいろと考えられていく中、
「事実婚」は結婚に関する問題に向き合っている層にとっては許容する土壌ができつつある。
そう考えると時代の流れとともに事実婚を新しい結婚形態と認めることは、
少子化対策になんらかのよい影響を与える可能性があるとも
考えることができるのではないだろうか。
そこで、次回はアンケート結果をさまざまな角度から検証することで、
事実婚にさらに深く切り込んでいく。
| 調査方法 | インターネット調査(パソコン) |
| 調査対象 | 全国在住、25歳〜39歳未婚男女の方 |
| サンプル数 | 600サンプル |
| 実施期間 | 2005年10月06日 〜 2005年10月08日 |
結婚情報サービス協議会
正会員

個人情報保護プログラム
ライセンス取得

あなたの個人情報は
SSL暗号化技術によって
守られています