
事実婚とは婚姻届を出さないため法的結婚ではないが、法律・経済的な面で区別されない結婚スタイルのことである。20代後半〜30代の未婚男女600人への「事実婚をどう思いますか?」という質問に対して「あってしかるべき」「今の社会には適しているので良いと思う」という肯定派が34.5%、「やはり結婚という社会的責任を果たすべきだと思う」「現在の法律に合わせるべきだと思う」という否定派が16.5%で肯定派が否定派を上回ったことはVol.1で明らかになった。
次に「好きな相手が事実婚を希望した場合はどうしますか?」という質問を投げかけてみたところ、
という積極的な回答が17.7%に対して、
という消極的な回答が68.6%という結果となった。
この結果をもとに事実婚の傾向を探るため、
「積極的」「消極的」「無関心・その他」の3つにグルーピングすると次のようになる。
事実婚に対して肯定派34.5%>否定派16.5%と肯定派のほうが多かったはずが、自分の立場に立った質問に変えると消極的=否定派が約70%に膨れ上がり、積極的=肯定派を大きく上回った。このアンケート結果を見ると、事実婚は「諸手を挙げて賛成」という段階にまでは達しておらず、新しい結婚の形としてはまだ決して万人に受け入れられるものではないということがわかる。
では、そういった進歩的な結婚のスタイルにおいて、果たして否定派はどの点で引っかかっているのか。Vol.1において印象的な結果だった「子供が欲しい60.3%>結婚したい46%」に着目し、結婚よりまず子供が欲しいという心理が大きな原因ではないかと推測してみる。そこで、「子供は欲しいと思いますか?」という質問に対しての回答と「好きな相手が事実婚を希望した場合はどうしますか?」の回答をクロスさせて集計してみたところ、下記のグラフの通りとなった。
これを先ほどと同様、積極的・消極的・無関心でグルーピングしてみた。
「好きな相手が事実婚を希望した場合」という前提で「自分自身の事実婚の考え方」を問うこの質問に
といった事実婚に消極的=否定的な意見を寄せた方は「子供が欲しい」という欲求が高い(「絶対に欲しい」「できれば欲しい」)という傾向が数字に出ている。逆に、
と答えた人は比較的、事実婚には積極的=肯定的な傾向があると思われる。多くの人にとって、子供が欲しいという欲求の有無と事実婚を受け入れるか否かは密接な関係があるようだ。
Vol.1で述べたとおり、婚外子(非嫡出子)に法的なメリットが受けられる土壌がないというのが、子供が欲しいと望む多くの独身男女にとって事実婚を受け入れらない大きな理由とも考えられる。しかし、単にそれだけではない。ここで無視することができないのは、 Vol.1で導き出された「世代が移り変わっても、ベースとなる結婚観は従来と変わらない傾向にある」ということ。独身男女が「結婚→出産」という従来の結婚観を変わらず持ち続けているという推測に基づいた、「家庭を作り、子供をその中で育てる伝統的な結婚観」を踏まえた考え方でないと多数派の人々の動きを変えることはできないといえるのではないだろうか。 確かに事実婚は一部の層にとっては少子化対策となりうる可能性がある。
ただし、従来型を望む日本人の結婚観を考えると、事実婚が抜本的な打開策となることは難しいと考えられる。「結婚が少ないから子供が少ない→結婚が増えれば子供は増える」というシンプルな考え方を今一度見直し、結婚そのものが魅力的だと感じられる社会作りを目指すことが課題なのかもしれない。
| 調査方法 | インターネット調査(パソコン) |
| 調査対象 | 全国在住、25歳〜39歳未婚男女の方 |
| サンプル数 | 600サンプル |
| 実施期間 | 2005年10月06日 〜 2005年10月08日 |

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