恋愛コラム「そこに恋があるのだ」
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愛称「マッピー☆」。7月21日東京都生まれ。立教大学卒業後、TOKYO FMのアナウンサーとして入社。2001年にフリー転向。現在、TBSラジオ「ストリーム」(月〜金/13:00〜15:30)や、TOKYO FM「Hits from the Heart」(土/16:00〜16:55)などに出演中。
趣味はドライブ、フラメンコ。特技は、ワインエキスパート!
Vol.158 結婚は結婚でも離婚した夫を連れて再婚!?内モンゴルに生きる女性の愛を描いた映画『トゥヤーの結婚』


中国映画『トゥヤーの結婚』は、私の恋愛観を間違いなく変えました。
生きる力と愛の力は、どちらも重くて大切なんだと。
2007年ベルリン国際映画祭で<金熊賞>グランプリを獲得したこともあり、
映画ファンは注目していたと思いますが、日本でも、もっともっと知って欲しい作品です!
先日、わたしの番組で紹介したところ想像以上に反響があり、関係者の方と嬉しい悲鳴をあげました。
渋谷のBunkamuraル・シネマも、評判が評判を呼んでたくさんのお客さんで混んでいるそうです


舞台は、中国内モンゴルの荒れた草原。
主人公トゥヤー(モンゴル語で光)は、モンゴル北西で暮らしています。
ある日、夫がダイナマイト事故で下半身が麻痺してしまいます。
かつては青々としていた草原も今では砂漠に侵食され、水も数十キロ離れた井戸までくみに
行かなくてはならない生活。
夫と幼い子供たちを抱える厳しい生活は彼女の体を蝕んでいきます。
トゥヤーは愛する家族のためにひとつの決断をします。 それは、「夫と別れ、再婚する」こと。
しかし、「再婚の条件は、離婚した夫も一緒に暮らすこと」!


リスナーの方からは、「元夫を連れて再婚なんてありえない〜と思ったけれど、
厳しい草原での生活や、都会に強制移住させられる話を聞いて観なくてはと思った。」など、
トゥヤーの生き方と現実の厳しさに関心を持ってくれる方が多かったですね。
ワン・チュアンアン監督は、中国社会の現実を映画に残しておきたかったんです。
私自身、資料を読んでみて初めて知ったことがたくさんあって、
今回の映画を紹介する上でも、「草原の砂漠化」は欠かさない背景だと思います。
内モンゴルの砂漠化はとても深刻で、1960年にあった草原は、いまや半分以下になってしまい、
現実は、モンゴル人牧畜民が都市に強制移住させられているんです。
夫・バータル役を演じた遊牧民の顔家族も、撮影後に移住させられたそう。

さて、主人公トゥヤーはラクダにのって水を汲みに行ったり、羊の放牧、子供の 世話・・・休む間がない。
腰に手をあてて巨大な鍋をおたまでかき混ぜる後ろ姿が、わたしは好きです!
同郷の男たちが、彼女のために一攫千金・井戸を掘り当てようと体を張るんですが、 爆発の危険と背中合わせでハラハラします。
さらに、息子が母のためにしたある行動には、おもわず涙してしまいました。
彼女と再婚したい男たちが都会からたくさんやってくるのですが、

石油成金の軟弱男が、ここで君をものにしないと、お・お・男じゃな〜い、と ベッドで彼女に迫ると、
「女をその気にさせてから抱きなさい」とバッサリ(笑)。
家族と愛する人と荒野で生きていくために彼女はどうするのか、 離婚した夫も一緒に暮らすことを

周りは受け入れてくれるのか・・・。
鮮やかな赤いスカーフの奥に見せる彼女の瞳が何を語っているのか、

トゥヤーの愛と、内モンゴルに生きる遊牧民の姿をぜひ見届けてくださいね。

 

 


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