先週ご紹介した「肝、焼ける」。
年下君のじれったさを全面に浴び、恋に悩んだあの時のアマじょっぱい思い出に浸っていたわたし・・・。
そんな時、さらに強烈な作品に出会ってしまったのだ。
坂本順治監督・風吹ジュンさん主演「魂萌え!」
・・・たまもえ??・・・
って、なぜ気になったかというと、まずはタイトルが変だから。
原作は、桐野夏生さんの2004年の小説。
題名の「魂萌え」とは、
「肉体は衰えるけれど、魂はますます燃え盛るものだ」という意味の、彼女の造語。
気がつけばずいぶん、安っぽく使われている「萌え」という言葉だが、
本来のニュアンスが旨く出ているし、言葉の転がりがキモチイイ。

(C)2007「魂萌え!」パートナーズ
無事に定年退職を迎えた夫(寺尾聰)が、急死する。
平凡な主婦、よき妻であった敏子・59歳(風吹ジュン)に、様々なことが起こり始める。
なんと10年も夫に裏切られていたのだ!
堂々たる愛人の登場(三田佳子)に戸惑い、
大切に育てた子供たちの身勝手な行動にがっかりし、
家を飛び出す敏子は、超〜孤独で世間知らずな女。
見ているこっちが手を差しのべたくなる危なっかしさ(汗)。
夫以外の男性に初めてホテルに誘われて、可愛い少女のようにときめいちゃったり。
主人公・関口敏子が、大好きな風吹ジュンさんじゃなかったら、
到底見たくないような場面もあったりなかったり。
さらに、愛人の言葉が生々しく恐ろしいのだ。
「奥さんのこと、なんて言ってたかご存じですか?買い換えたくもない、古びた箪笥。」
「奥さんだから優位に立てるんですよね。」
などなど、白髪交じりのおかっぱ頭の三田佳子さんが凄い。
(C)2007「魂萌え!」パートナーズ
他にも、初めて泊まるカプセルホテルで出会う老女役の加藤治子さん、
高校時代からの親友たちに、由紀さおり、藤田弓子、今陽子!
長いつきあいだからこそ生まれる微妙な関係も会話一つ一つにまで、よーく描かれている。
つい、わたしの母親の友人関係と重ねてしまった。
敏子は、いったいどう生きていけばいいのか?
妻の恋、女の愛はどこにあるのか?
ぜひとも見届けてほしい。
この冬「魂萌え」で勉強勉強(汗)。
information:「魂萌え!」は2007年1月27日、
シネカノン有楽町、渋谷シネ・アミューズほか全国ロードショー(配給シネカノン)